京都、大東漆木工、職人の、あれこれと近況
2011年8月25日 生漆(きうるし)

木からとったままの漆の樹液は、漆の樹脂分と、水分が混じっていて、左の写真のように乳白色です。
牛乳が、乳脂肪やたんぱく質や水分が交じり合って、白濁しているのと同じです。
普通、ハケで漆塗りするのに使う漆は、黒目漆といって、生漆の水分を蒸発させて、黒っぽく透明になった漆を使います。透明といっても漆の場合は、暗褐色です。

では、生漆のままでは使い道はないのかといいますと、大いにあります。
まず、下地に使います。細かい土の粉と生漆を混ぜて、下地として使いますし、米糊と混ぜて糊漆にして、布など貼り付けたりするのに使います。
また、拭き漆(摺り漆)という仕上げに使います。
拭き漆は、生漆を木地に染み込ませて、拭き取るということを、何回か繰り返して仕上げるという、単純ですが素朴な仕上がりの漆塗りです。2枚目の写真は、お茶に使う炉の枠に、生漆で拭き漆をしている所です。
二回、漆で拭きました。あと、三〜四回、拭き上げると、上品な、漆の艶が出てくると思います。
2011年4月20日 桐たんすのアク


写真は、修理をして、カンナで削り直したときのものですが、アクが、結構、出ております。
桐材は、雨に打たせて、アクを出してから、桐たんすに使いますが、何十年も経つと、やはりアクが、きつく出てきます。
カンナで一皮削ると、必ず、アクが出ております。板目よりも、前側の柾目板が、特にアクがきつく出る傾向にあります。
この写真の桐たんすは、特に桐のアクがきつく出ております。強い漂白剤をかければ、アクはそこそこ抜けますが、桐箪笥のことを考えると、よくありません。
下の写真は、害のない薬で、軽く漂白して、ヤシャ、トノコ化粧した状態です。少々アクが目立ちますが、桐たんすや、中に入れる着物のことを考えますと、この程度が無難かと思われます。
2011年3月25日 漆塗りの箪笥を洗って、修理して、漆を塗り直します


京都の山科のお客様のご注文です。
古い漆塗りの箪笥を、修理しています。
古い漆を、砥石や、タワシでゴシゴシこすって、剥がして、水で洗い流して、木地を出して、傷んでいる所を修理しています。
木地の修理が終わったら、布を貼って、漆の下地を付けて、新たに漆を塗ります。

2011年3月20日 杉の1枚板の座卓(座敷机、テーブル)を修理しています

幅1500奥行800ミリの大きな1枚板の杉の座卓(テーブル座敷机)です。
修理をして、きれいに再生、リフォームして欲しいというご注文です。
焼杉の加工がしてありましたので、塗装を剥がしてから、バーナーで、もう一度、板焼きをしました。
写真は、ススをタワシで洗い流して、乾かしてから、ぐらついていた脚を付け直しているところです。
一枚板ですので、天板が縮んで、脚がぐらついていました。
このあと、防水加工して、仕上げます。
2010年7月2日 桐たんす修理再生(洗い)トノコ化粧で仕上げました

2010年5月24日 桐たんすリフォーム(更生)木地のまま仕上げました

ご案内
会社名 大東漆木工(おおひがしうるしもっこう)
602-8491 京都市上京区西社町198−1
TEL 075−432−0043
桐たんす、和家具、無垢オーダー家具製作と漆塗り京都の大東漆木工
店主、大東伸哉(おおひがし のぶや)
桐たんす/家具木工職人、漆塗り職人
桐たんす/家具木工職人、漆塗り職人