桐たんすのあれこれや、よもやま話
このページでは、桐たんすを造る上での(主に桐たんすの製造工程)あれこれや、よもやま話を、ざっくばらんに、紹介して行きたいと思います。
桐の板を並べて桐箪笥をイメージする 2011年8月10日

桐の板を作業場に運びました。
丸太一つ分です。
長さは、2メートル50センチあります。

この桐の板を使って桐たんすを造る予定です。

この桐の板を立掛けて並べて、どの桐の板を、桐箪笥のどの部分に使うか、思案している所です。

箪笥の長さに合わせて、切ったり、割ったりして、木取りした様子です。
どんな桐箪笥が出来上がるか楽しみです。
桐材を挽いて、木取りをします。(桐たんす製作、桐材木取り)

桐たんすの部位に、必要な長さに、桐材を切ります。

不必要な、耳の丸みの部分を、縦に割って、落とします。

使えない芯の部分を、縦割りにして、落とします。
桐の端材と桐板の矯正(桐たんす製造) 2011年9月2日

桐たんすに合わせて桐の板を木取りしますと、皮の部分や耳など桐の端材が沢山でます。
この桐の端材は、捨てる必要はありません。カンナくずと一緒に燃やして木取りした桐の板を火であぶるのに使います。

なぜ桐の板を火であぶって、焼くのかといいますと、熱を加えて、桐の板の歪みやそりを矯正するためです。

じっくりとあぶるのには、ガスよりも焚き火や炭の火の方が、いいようです。

桐たんすを造るには、必要な工程ですが、夏は、暑いので大変です。
桐たんすの前側と桐材の接ぎ合わせ 2011年9月15日

桐たんすは、木取りした桐の板を何枚かはぎ合わせて1枚の板にして、それを組立てて造ります。
ひだりの写真は、桐たんすの前側、つまり、引き出しの前板になる部分を造る様子です。
引き出しの前板や、扉に

1枚目の写真は、柾目板を並べて桐たんすの前側の景色がどのようになるか思案しているところです。
2枚目の写真は、糊を付けて金具ではぎ合わせているところです。
桐たんすの横側 2011/9/18

桐たんすの天板と胴板(側板)つまり、上面と側面を造る様子です。
桐たんすの胴回りは、強度が要求されますので、板目を使います。
1枚目の写真は、板目の桐の板を並べて様子を見ているところです。

2枚目の写真は、糊をつけて接ぎ合わせているところです。
桐たんすの裏側 2011/9/20

桐たんすの裏側、つまり、裏板を作る様子です。裏側というとどうでもいいように思われがちですが、桐たんすの裏板は、大変、構造的に重要な役割を果たします。

つまり、桐たんすという箱を裏側でかっちりと支える大変重要な部材です。
また、特に幅が広い板になりますので、桐板の縮みによる、割れやハギ切れが大変生じやすいです。そうしますと、気密性という桐箪笥の特性が損なわれます。
ですから、節のないしっかりとしてきれいな桐材を使います。
写真は、桐の板を並べて接ぎ合わせる様子です。
桐たんすを組む 2011年12月18日

桐の板を接ぎ合わせて仕上げカンナをかけますと、桐たんすに使うきれいな板材ができあがります。

この桐たんすの部材は、桐たんす一棹分ともなると結構な量になります。それはさておき、この部材をノミや小刀やノコギリなどを使ってかきとったりして、組み手を加工します。

色んな道具や、もちろん機械も使います。

機械で全てできればよいのですが、うちの場合はどちらかというと、手仕事が中心です。

この加工が終わりますと、糊をつけて組立てて木釘を打ち込んで締め付けます。

組み付けが終わりますと、桐たんすの形が見えてきます。
桐たんすの後側もカンナをかけて仕上げます。 2012年1月11日

ですから、カンナをかけるのは一苦労です。
桐たんすの裏板は、何枚かの桐の板をはぎ合わせて造ります。
目違いやたんすの内側に

大きいので、カンナがけしますと、片面だけでも息が切れます。
桐たんすの本体を組み付ける時は、胴板や天板など



板のままのときよりも、桐たんすの奥行きの寸法が加わりますので、さらに大変です。
体全体を使って削ります。


どこが引き出しの界か分からないほどです。
台輪を、桐たんすの本体に合わせて、造ります。

桐たんすの本体に合わせて、台輪を造ります。
台輪は、桐たんすの基礎、または土台に当たるもので、大変重要な役割をします。
この台輪が、しっかり造られていないと、たんす全体が、ガタついたり、引出しや、扉が、開け閉めしにくくなります。

台輪をつけて、桐たんすの本体が、出来上がりました。
桐たんすの引出しの前板は、一枚ずつ、胴体に合わせます。2012年6月1日
桐たんすの引出しは、一個ずつ、本体に合わせて造ります。

ですから、最初に、引出しの前板を、一枚ずつ桐たんすの胴体に合わせて造ります。

まず、上端を桐たんすの棚口に合わせて、

カンナで削り、合わせます。

精密に削るために台の長い鉋を使います。

両側の木口も同じように合わせて、

削ります。

さらに、下端も、、

削ってあわせます。

このようにして、桐たんすの引出しの前板を、一つずつ本体に合わせます。
半分入る程度に、大きめに合わせます。
この前板を基準にして、桐たんすの引出しを造ります。
大きめの引き出しが出来上がることになりますが、また削って合わせます。

上から下まで、全部の引き出しの前板を合わせました。
こうして、桐たんすの引き出しは、隙間なく、ぴたっと吸いつくように収めることができます。

ですから、最初に、引出しの前板を、一枚ずつ桐たんすの胴体に合わせて造ります。

まず、上端を桐たんすの棚口に合わせて、

カンナで削り、合わせます。

精密に削るために台の長い鉋を使います。

両側の木口も同じように合わせて、

削ります。

さらに、下端も、、

削ってあわせます。

このようにして、桐たんすの引出しの前板を、一つずつ本体に合わせます。
半分入る程度に、大きめに合わせます。
この前板を基準にして、桐たんすの引出しを造ります。
大きめの引き出しが出来上がることになりますが、また削って合わせます。

上から下まで、全部の引き出しの前板を合わせました。
こうして、桐たんすの引き出しは、隙間なく、ぴたっと吸いつくように収めることができます。
桐たんすの引き戸や、扉を造り、合わせます。(桐たんす製作、扉、引戸)

桐たんすの上置きに、引戸をあわせます。
隙間やガタツキがないように、調整して、はめ込ます。


扉に、歪みや、反りがないかどうか、定規を当てて、見ます。


桐たんすの本体に、隙間なく、ピッタリと扉が合うように、様子を見ながら、扉の端(下の写真)を削って、合わせて、はめ込みます。


桐たんすの本体に、引戸と扉がうまくあわせられました。
桐たんすの化粧と桐の素色 2012年3月20日

2枚目の写真は、桐たんすの木地が出来上がった時のものです。
桐の木地の表面の素色は灰色っぽい色です。そして桐の木地に化粧を施しますと、少し渋い山吹色から黄色味がかった肌色になります。

さらに、ヤシャブシというコーヒー色した染料を塗りつけて木目を出します。
簡単に言いますと、このような感じですが、この桐たんすの化粧は、大変難しく仕上げ専門

また、砥の粉の色によって化粧の色が少々変わります。黄色っぽい砥の粉を使いますと、山吹色した桐たんすに仕上がりますし、赤みがかった砥の粉を使いますと、肌色した桐たんすに仕上がります。
こちら京都では、黄色っぽい渋い山吹色の化粧が好まれます。

しかしながら、この桐たんすの砥の粉化粧は、濡れた布で拭いたりしますと、剥げたり、濡れた手で触るとシミになったりと、大変扱いが厄介です。丁度、女の人の化粧が、汗をかいたら化粧がはがれおちるのと同

それでうちでは何も化粧せず、単にロウで磨いただけの木地仕上げでお客様に収めることも多いです。
桐たんすは何故狂いにくく、燃えにくいのでしょうか?
桐たんすは狂いにくいとよく言いますが、なぜでしょうか?
それは、桐が、他の木材と比べようもない位、軽くて柔らかいからです。つまり、桐は、比重が、小さく、堅い木のように目が、ぎゅっと詰まっていません。言わば、スカスカした木ということになります。
桐も伐採してから乾燥させて、使いますが、先ほどの理由で、他の木と比べて、早く、よく乾きます。よく乾いた木は、狂いません。ですから、製品にした時、やはり狂いにくいのです。
また、桐は柔らかいので、桐箱など、気密性を持たせて、ぎゅっと締まるように作ることが出来ます。つまり、その柔らかさゆえに、融通がきいて、逆に気密性を持たすことが出来ます。堅い木ですと、こういうようには、いきません。言葉は、悪いですが、少々ブカブカに作らないと、割れてしまいます。そして桐は、スカスカした木(これも言葉は悪いですが)ですので、適当に呼吸してくれます。
火事の時など、桐タンスの中の着物は、焼けずに助かると言われます。桐は、燃えにくいからだとか言われますが、おそらく、その気密性が、大きい理由です。(実際、桐の端材はよく燃えます。)
さらに、桐は、軽いので、引出しなど作ると大変軽くて、便利です。桐たんすも持ち運びが、楽です。実際昔の桐たんすは、三つに分かれるように作られていて、女手1人で持ち運べました。火事の時、運んで逃げたといいます。
このように桐の軽くて、柔らかいという特性を生かされた、桐たんすは、大変機能的です。ただ、柔らかいので、キズが付きやすい。それで削り直して、また使います
それは、桐が、他の木材と比べようもない位、軽くて柔らかいからです。つまり、桐は、比重が、小さく、堅い木のように目が、ぎゅっと詰まっていません。言わば、スカスカした木ということになります。

また、桐は柔らかいので、桐箱など、気密性を持たせて、ぎゅっと締まるように作ることが出来ます。つまり、その柔らかさゆえに、融通がきいて、逆に気密性を持たすことが出来ます。堅い木ですと、こういうようには、いきません。言葉は、悪いですが、少々ブカブカに作らないと、割れてしまいます。そして桐は、スカスカした木(これも言葉は悪いですが)ですので、適当に呼吸してくれます。
火事の時など、桐タンスの中の着物は、焼けずに助かると言われます。桐は、燃えにくいからだとか言われますが、おそらく、その気密性が、大きい理由です。(実際、桐の端材はよく燃えます。)
さらに、桐は、軽いので、引出しなど作ると大変軽くて、便利です。桐たんすも持ち運びが、楽です。実際昔の桐たんすは、三つに分かれるように作られていて、女手1人で持ち運べました。火事の時、運んで逃げたといいます。
このように桐の軽くて、柔らかいという特性を生かされた、桐たんすは、大変機能的です。ただ、柔らかいので、キズが付きやすい。それで削り直して、また使います
ご 案 内
会社名 大東漆木工(おおひがしうるしもっこう)
〒602-8491 京都市上京区西社町198−1
TEL 075−432−0043
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桐たんす製作、京都の大東漆木工