桐たんすリフォーム(修理再生)とは、お使い頂いてきた桐箪笥をまた長く…

 桐たんすのリフォーム(修理、再生)とは、今まで、長くお使いいただいてきた桐たんすを、また同じように、長く使えるようにすることです。
 そのために、修理、調整をし、リフォーム再生するのです。

桐箪笥修理(リフォーム再生)作業の写真説明 (家具修理再生の作業工程)  

桐たんすをどう修理し、再生、リフォームするか、打ち合わせします

桐箪笥修理再生リフォーム、修理前の状態(三つ重ね桐箪笥)    桐箪笥、修理・写真説明
 幅三尺の三つ重ねの桐たんすです。五十年位前の物だそうです。
 裏面は、4ミリ厚の合板(ベニヤ板)が桐材の変わりに貼ってあり、所々、割れたり、剥がれたりしておりました。
 何とか補修して、使うこともできましたが、お客様のご希望で、新しく桐の板の裏板に貼り代えることになりました。
 前面と側面は、以前ニスを一度塗ったと言うことです。 表面の仕上げについも、お客様のご希望により、ニスを削り取って、トノコ化粧や、塗装などせず、桐の木地のままの仕上げにする事になりました。 
 でも、桐は、アクが結構強く、一皮削ったら、黒くアクがでていることが多いものです。その時は、どうしましょうか?とお聞きましたら、「修理して、削った時点で、見に寄せて頂きます。」とおっしゃって下さいました。

桐たんす修理、再生(リフォーム)の洗い作業

桐箪笥リフォーム修理再生の作業工程の洗い作業    桐箪笥リフォーム修理再生工程の洗い作業
 金具を外して、水をかけて、木を傷めない薬品を使って、タワシでごしごしこすって、洗います。ニスもタワシでごしごしこすったら、8割程度、落とすことが出来ました。
 洗った後、日の当たらない風通しの良い所で、きっちり、長い時間をかけて、乾かします。

桐たんす、胴体の修理再生(リフォーム)の作業

桐箪笥、修理・写真説明  桐箪笥、修理・写真説明
 割れの補修をしている写真です。この写真の桐たんすは、別の桐たんすですが、この写真の方が分かりやすいので、ここに載せました。この写真にて、説明させて頂きます。
 桐タンスの底板の写真ですが、年数が経ち、大分縮んで、割れが、真ん中に、入っておりました。
 元の幅に戻すために、新たに、割れを、人為的に入れて、割れの部分に割れを押し広げるように細い木を差し入れて、全体を元の幅に、直します。

桐箪笥、修理・作業区低 糊を付け直して、木釘を打ち直して、締め直しをします。がたつきや、木の反りもこの時点で修正します。




桐箪笥、修理・作業工程 この桐たんすは、裏板を貼りかえることになったので、古いベニヤ板を剥がして、新しく、桐の裏板に、張替えています。糊を付けて、木釘を打って止めます。



桐箪笥、修理・作業工程 糊が乾いてから、仕上げカンナをかけて、裏面を仕上げます。





桐箪笥、修理・写真説明 裏面、終了です。





桐箪笥、修理・写真説明 桐箪笥、修理・写真説明
 この2枚の写真は、別の桐タンスです。普通は、裏板を、張り替えることはしません。
 割れの補修と裏面の板の幅の修正をして、糊を入れ直して、木釘を打ち直します。

桐箪笥、修理・写真説明 桐箪笥、修理・写真説明
 側面をカンナがけします。

桐箪笥リフォーム修理再生工程のカンナ削り作業 側面を削った後、前面を削り直します。








桐箪笥、修理・作業工程 桐箪笥、修理・作業工程
 削っても、修正できない、欠けなどが沢山あります。 
 そういう所は、欠き取って埋木をするか、剥がして、新しい桐の柾目板を、貼り直します。
 上の2枚と下の3枚の写真は、埋め木の様子を写した物です。

桐箪笥、修理・作業工程 桐箪笥、修理・作業工程

桐箪笥、修理・作業工程 欠きとった様子と、新しい木を足して、削って、修復します。
 こういう部分的な補修では、修復出来ない場合もあり、剥がして、丸ごと貼り替える場合もあります。この桐タンスも6箇所ほど貼り替えました。

976作業風景 埋木などをした後、前面を、仕上げカンナをかけて、仕上げます。






桐たんす、引き出しの修理(リフォーム、再生)作業

桐箪笥、修理・作業工程 次に、引出しに取り掛かります。引出しの底板も4ミリ厚のベニヤ板が貼りってありました。
 お客様と、相談しました所、引き出しの底板も、9ミリ厚の桐の板に、貼り替えることになりました。
 それで、引出しは、古い板を剥がして、全部、解体して、組み直しました。左の写真は、組み直している所です。

桐箪笥、修理・説明桐箪笥、修理・写真説明
 引き出しの前板と側板と、先板(後板)をきっちり組み直し終わったら、新しい桐の裏板を糊を付けて、木釘を打って貼り付けます。

桐箪笥、修理・写真説明 引出しの後面をまず削り直して仕上げ、次に、新しく貼った底面を仕上げカンナをかけて仕上げ、側面は、出っ張っている所を最小限削る程度にして、引出しがスムーズに出し入れできるように調整します。
 最後に、前面を削り直して、仕上げます。

桐箪笥、修理・写真説明 桐箪笥修理再生リフォーム、引き出し上端の隙間修正部拡大写真

桐箪笥、修理・写真説明 引き出しの前板は、長い年数の間に、平均2ミリほど縮んでおりました。本体の、枠周りと、引き出し上端との間に2ミリから、多い所で3ミリほど隙間が開いておりました。古い桐たんすは、木の縮みによって、必ずこのような、隙間が出来ます。
 桐箪笥の修理再生において、いかに隙間をなくし、桐タンスの、気密性を回復するかが重要なポイントです。割れの補修とともに、引き出しが隙間なくぴったりと、本体に収めるように調整することも大事です。
 この、桐タンスの引出しの場合は、全て上端に薄い新しい桐材を足して調整し直しました。
 上の3枚の写真は、その様子を写した写真です。前板の、上端に新しい桐材を足した様子が分かるかと思います。

桐箪笥、修理・写真説明 下段の、引出し2段は、深さが深く、前板の幅も広く、反りとねじれが激しく、また、お客様が、以前に、釘を打ったりしておられましたので、余計目に削り、桐の薄い柾目板を、練りつけ、(貼り付け)直して、前板を平らに、まっすぐに修正してから組み直しました。
 写真では、薄い柾目板を貼り直した側面からの様子が、分かるかと思います。

桐たんす、引き戸の修理(リフォーム)、修復、再生

桐箪笥、修理・写真説明  桐箪笥、修理・写真
 上の、引戸の下端は、すり減っていて、新しい木を継ぎ足して調整し直しました。上の2枚の写真は、その様子です。

桐箪笥、修理・写真説明 左の写真は、引き戸の上端を修正し直した写真です。
 引き戸に反りとねじれがありましたので、前面を平らに、真っすぐに、削り直して修正するとともに、裏面の上端に木を継ぎ足して、引き戸が、吸い付くように、すーっと、ぴたーっと開け閉めできるように、修正します。
 単に、キズを取るために削って、引き戸が薄くなってしまって、ガタガタとがたつくようでは意味がありません。あくまでも、ぴたーっと吸い付いて動くように、調整する事が大事です。

この桐たんすのリフォーム(修理、再生)が完了しました

修理、再生後の桐たんすの裏面 (桐たんすリフォーム後の状態)

桐箪笥、修理・写真説明     桐箪笥、修理・写真説明
 上の2枚の写真は、この桐タンスを再生し終わった時点での、裏面の写真です。
 裏面は、桐の板に新しく張替えました。
 台輪は、大分傷んでおり、お客様に、台輪は作り変えた方が良いのではと申し上げた所、「20年以上持つようにして下さい。」と言われました。
 それで新しく作るしかないということで、作り直しました。
 台輪から、桐タンスの上段まで、まっすぐにがたつかないように、積み重なるように、削って、きちんと修正しました。どこに置いてもこの三つ重ねの桐たんすが、ガタガタしないように、調整致しました。
 

トノコ化粧せずに、木地のまま仕上げました。(桐たんす再生、木地仕上げ)

188  桐箪笥、修理・写真説明
 削り直して、金具をはめた写真です。
 修理して、削り直した時点で、引き戸と引き出しの表面に、アクが黒く出ておりました。
 それで、お客様に連絡を取って、アクがちょっときついです。砥の粉の化粧をしたら、アクは、目立たなくなります。仕上げはどうしましょうかと伺いましたら、「それでは、これから、夕方になりますけど、見に寄せてもらいます。」と言われて、うちのお店まで、わざわざ、見に来て下さいました。
 そして、「あくが確かに出てるけど、あんまり気にならへんです。こんな、ようなるとは思わへんかったです。木地のまんまの方がいいです。」と言われて、結局、化粧仕上げはせずに、桐の木地仕上げになりました。
 そして、「きちんと直って嬉しいです。」とおしゃられ、さらに、うちに作り置きしてあった桐の衣装箱を買ってくださいました。桐箪笥、修理・写真説明  桐箪笥、修理・写真説明
 上の、写真は、この桐箪笥の真ん中の部分、三つ重ねの中段の写真です。少々、アクが出ているのが、分かるかと思います。
 確かに、化粧仕上げをすると、アクは、目立たなくなりますが、アクも桐の性質の1つと考えれば、それも自然で良いのかも知れません。
 お客様のご希望に沿うよう努力するのがよいかと思います。たんに、濃い化粧をして、あらを隠すと言うのも、頂けません。
 以前、桐タンスを修理再生されたお客様で、「砥の粉化粧が分厚くてかなんです。それにきちんと直っていませんでした。(うちで直した物ではありません)もう一度きっちり直して欲しいです。」と言って、うちに、洗い修理を頼まれたお客様がおられました。

桐箪笥、修理・写真説明  172
 上の、2枚の写真は、この桐タンスの下の部分、三つ重ねの桐箪笥の下段部分と台輪の写真です。
 この台輪は、新しく作り替えました。2段の引出しの前板も新しく薄い桐の柾目板を貼り直しました。
 本体の枠回りも、下側と上側と左側は、新しい桐の柾目板を貼り直しました。
 外から見た感じは、古い物には思えません。でも、中身もきっちり、直して、引出しが、すーっと出て、きゅーっと入ります。

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 納品の前です。納品した時も、大変喜んでいただきました。

  
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桐たんす製作、修理再生(リフォーム)京都の大東漆木工